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ブーファン ディスティチャについて

 昨年からの発根管理を経て、先日無事に満開の葉を展開してくれたブーファン ディスティチャ(Boophone Disticha)について調べてみました。簡単にまとめてみたので、これから育てられる方の参考になればと思います。

 

ブーファン ディスティチャとは

 

 ブーファン ディスティチャ(Boophone Disticha)は、南アフリカに自生している球根植物の一種です。玉ねぎの様な球根から扇状に葉を展開し、壮大な美しい姿を見せてくれます。日本でも人気のある植物ですが、インスタでは海外の方のポストも多く見られ、海外での人気もうかがえます。


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 ブーファン ディスティチャはヒガンバナ科ブーファン属の一種です。ブーファン属として12種が申請されていますが、正式に認められている種は2種のみで、ディスティチャの他にハエマンソイデス(haemanthoides)があります。

ハエマンソイデスの方がディスティチャよりも葉が幅広で迫力があり、より高値で取引されています。ディスティチャの名前で取引されている株でも、葉のうねりや大きさにかなり差があるので、購入する前に葉が展開された姿を見れた方が安心かと思います。未発根株だと難しいですが。。。

 

また、表皮を含め、全体に毒性があるので、取り扱いに注意が必要です。南アフリカの多くの部族で、狩猟時の毒として用いられる一方、鎮痛剤や消毒剤としても用いられているようです。一部の地域では幻覚剤として儀式や占いでも用いられているようです。ペットを飼われている方は注意して下さい。

 

ブーファン ディスティチャの自生地

 ブーファンディスティチャはアフリカ南部の広い範囲で自生しています。南半球に位置する為、日本とは季節が逆になります。ディスティチャのほとんどは夏に雨が降る地域に生息している為、温かい時期に成長する夏型の植物になります。ただ、一部の自生地では冬に雨が降る為、寒い時期に成長する冬型の株もあるようです。参考ですが、ハエマンソイデスは基本的に冬に雨が降る西ケープ側に自生している為、冬型の植物になります。

 

Boophane_disticha_MS3245

 

 

Boophone groupe

Flickrにディスティチャの自生地写真がありました。ディスティチャは水はけの良いサバンナや草原に自生しているようで、球根は埋まっているようです。

 

ディスティチャが自生していると思われる南アフリカのエルメロという街の気候を調べてみました。夏の間の雨季には、月間125mmの雨が降ります。日本の梅雨ほどではありませんが、しっかり雨が降ります。乾季は冬の4ヶ月間ほどで、月間降雨量は5mmと少ないです。東京の冬でも40mm程は降るので、日本と比べるとかなり少ないですね。成長期にはしっかり雨が降り、休眠期は乾燥している地域といえます。

 

自生地マップを作ってみたので、興味のある方はどうぞ

niwanokoto.hatenablog.com

 

ブーファン ディスティチャの育て方

成長サイクル

 自生地の項目で紹介したとおり、ほとんどは暖かい時期に育ちますが、一部は寒い時期に育ちます。南アフリカから輸入されたベアルート株の場合、季節が逆転する為、夏型でも冬に葉を出したりするようです。私が購入した株は、春から葉を出してくれたので、おそらく夏型の子だと思います。

また、開花するのに4〜5年はかかるようです。

 

 

日陰には置かない

 日光が大好きです。日に当てましょう。私は夏に5時間ほど直射日光が当たる場所で管理しています。梅雨の時期も基本同じ場所に置きましたが、その時期に出た葉は徒長してしまいました。来年の梅雨はLEDに当ててみます。直射日光に当てすぎると葉焼けするので注意してください。

 

寒さに強い

 -6.6℃まで耐えられるようです。 (USDA:9a)

ただ、南アフリカのゾーンは8b(-9.4℃)から10b(1.7℃)まで分布があります。ディスティチャという名称でも、見た目もかなり違うので、出身地によって耐寒性も変わるかもしれません。屋外越冬は注意したほうが良いかと思います。※私は念の為冬は屋内に取り込んでいます。

 

※耐寒性は、USDA Hardiness Zoneを基にしています。下記のサイトでとても分かりやすく説明されています。

植物の耐寒性について【Hardiness Zone】 - ガーデニングの図鑑

 

冬は水を控える

 自生地も休眠期にはほとんど雨が降らないため、冬の水やりは控えます。

昨年の発根管理では、冬もある程度水を与えても問題なかったので、今年も極々少量の水やりをしようかと思います。

 

春に花が咲く

 私はまだ見たことがありませんが、葉が展開される前の春に花が咲く様です。花には毒があり、目が痛くなる様なので、室内には置かないほうが良いようです。

 

動物には食べさせない

 上にも書きましたが、ブーファンには毒があります。ペットを飼われている方は注意して下さい。

 

ブーファンの発根管理

 下記の記事に発根管理についてまとめています。もちろん発根を保障するものではないので、参考程度に見て頂けたらと思います。

 

niwanokoto.hatenablog.com

 最後に

 最後まで読んでいただき、ありがとうございました。書いている途中、ブーファンの英語表記が2002年に"boophane"から"boophone"に統一されたという情報を発見しました。ブーフォンとして記事を書こうかと思いましたが、未だ多くの方がブーファンと呼んでいるので、ブーファンにしました。いつの日かブーフォンが浸透したら、記事修正します。

 

楽天で見つけたディスティチャがこちら。小さくても結構なお値段がします。