屋内に植物の置き場がなくなったので、屋外に簡易温室(フレーム)をDIYで作ってみました。今回は、温室の機能について紹介します。
必要性能と対策まとめ
必要な性能と対策を整理しました。
※対策をクリックすると説明にジャンプします。
1.通年で植物を置けること
1-1最低気温5度以上を確保できること
1-2蒸されないこと
2.火事にならないこと
3.日照確保できること
(冬季の直射日光はほぼ無し)
4.台風対策できること
パネルヒータは昭和精機工業製
パネルヒーターは昭和精機工業さんのSP-150(150W)にしました。
ヒーター選びは結構悩みました。Amazonで”ミニ温風機”を調べると、サーモ内臓でも安価な製品があったので、そちらにしようかと悩みましたが、安全性を重視して温室用として販売されている昭和精機工業さんの製品に決めました。SP-150はサーモスタットがないので、追加で購入する必要があります。
余談ですが、断熱性がしっかりできれば15wの爬虫類用のパネルヒーターでもなんとかならないかと期待しましたが、全くダメでした。結局、明け方の気温は外気と同じか1℃低い位に下がってしまいました。屋外のハウスの場合、一定容量以上の加温設備は必要になると思います。
サーモスタットはDIGITEN製
昭和精機工業さんから”グリーンサーモ”というサーモスタットが発売されていますが、結構高額であることと、設定がアナログダイヤル1つしかないことから、他のサーモスタットを探しました。海外製で不安がありましたが、詳細に温度管理ができることと、測温部が伸びて測定しやすそうだったので、DIGITENさんの製品にしました。
こちらの商品、出力コンセントが2口あるので、別々の温度で2つのヒーターが動作できないかと期待しましたが、冷却側のコンセントはプラス温度でしか設定できないので、加温設備には使えませんでした。冷却側を使わなければ、1口タイプでも良いかと思います。
高温時の自動開閉窓
冬のハウス内の気温を上げるためには、外気を遮断する必要があります。しかし、常時密閉していると日中の陽射しにより、温度が高くなり過ぎてしまいます。特に今回のような容量の小さなフレームの場合は、急激に温度が変わる為、対策が必須です。日中毎日開閉することは難しいので、自動で換気させる必要があります。
今回、Amazonで良さげな商品を見つけたので、使ってみることにしました。
写真の窓に固定されている金属部品が購入した製品です。こちらの製品は、温度が一定以上になると棒が伸びるため、窓に固定すれば温度で自動開閉させることができます。類似品が多くありますが、私が購入した部品の説明には20-25℃で開閉と説明があり、実際確認したところ24℃から開き始めました。ソーラーパワーで開閉と書いていますが詳細説明はなく、個人的にはパラフィンワックスを使って伸縮してるんじゃないかなと思っています。単純な構造なので、電子制御で開閉するよりは安心かと思います。
※実際に設置しようとすると、考えていた動きと違ったり、思った以上に可動域が広かったので、当初の予定していた場所とは違う場所に設置することになってしまいました。設置場所に制約がある場合は、慎重に購入された方が良いかと思います。コメント頂ければ、わかる範囲でお答えします。
空気循環用にPCファンを設置
加熱の効率UPと植物への通風確保の為、サーキュレーターを設置しました。空気の循環を考えると、首振り機能も欲しいところですが、24h駆動を考えると、耐久性を重要視すべきと考え、PCファン(っぽいもの)を設置しました。2つセットになっており、フレーム内で空気が循環するように向きを互い違いに設置しています。また、スマートコンセントに対応させる為、アナログスイッチのものにしました。
壁面は取り外し式
冬季の断熱と夏季の通風を両立する為、壁面は取外し出来るようにしました。枠は断熱性と加工性を考え、スタイロフォームを採用。壁は日照確保も考え、農PO(ハウスで使われるビニール)を貼りました。また、断熱性を高める為に、内側と外側ともに農POを貼り、空気の層を形成しています。ご存じの方も多いと思いますが、空気の熱伝導率はかなり低いので、外気との断熱を考える場合、空気の層を作ることが有効になります。主にボンドで接着しましたが、密閉性が気になるところです。冬の温度次第では改善が必要になりそうです。
下の写真は、冬対策前の壁外しVer.です。最低気温12度くらいまではこの状態で管理していました。
異常温度はスマホに通知
フレーム内の気温は常時確認できる様、SwitchBot製の温度計を設置しました。SwitchBot製のハブミニという製品も設置しておけば、いつでもスマホから温度と湿度が確認できます。アラート設定もできる為、温度が異常に高くなれば、スマホに通知してくれます。温度の履歴を細かく見れるので、温室が無い方にもおすすめです。
外出中でもヒーター電源オフ
電源にスマートコンセントを用いれば、上記温度計との組み合わせで温度によるスイッチ制御ができます。
私は、2つのスマートコンセントを温度制御で用いています。
1つは、サーモスタットの安全バックアップです。150Wパネルヒーターのサーモスタットが万が一作動しなかった場合は、最悪火事の危険も考えられるので、保険としてヒーターの電源にスマートコンセントを設置しています。異常な高温になった場合、電源がオフになるように設定しています。
もう一つは、実生用の15Wパネルヒーターの制御用です。実生苗の下に置き、150wヒーターよりも高い温度を維持できるように設定しています。本来、こちらもサーモスタットで制御したかったのですが、そもそもつけっぱなしでも表面は45℃にしかならないので、最悪スイッチオフができなくても良いかと考え、サーモスタットなしにしました。
※1.上記の通り、スマートコンセントだけでサーモスタットの様な動作ができますが、100%制御できるか不安が残る為、こちらで150Wのパネルヒーターを制御するのはやめたほうがいいと思います。
※2.SwitchBotの温度計はIFFFT(スマホアプリ)で認識できるので、IFTTTに対応しているほかのメーカーのスマートコンセントでも上記の制御はできます。
取り外し式LED照明を設置
フレームの置き場は、冬の間ほぼ日が当たらない為、照明を追加する必要があります。夏は日当たりを確保できることと、植物の出し入れし易さを考え、照明は着脱式にしました。また、スペース的な節約を考え、スマートコンセント無しでタイマーでON-OFFできる商品にしました。
屋根も取り外し式
台風対策を考えると、屋根は着脱式がいいかと思い、取外しできる丁番で屋根を固定しました。
また、屋根は木材枠と農POで作成しました。ポリカの採用も考えましたが、紫外線カットの影響が気になり、見送りました。
振り返りと改善点
作成編はまた改めて記事にしようかと思いますが、作るのはけっこう大変でした。少しずつ作っていって、恐らく実作業だけで、20時間くらいはかかったかと思います。ペンキ塗りと壁面作りが地味に大変でした。意外と費用もかさんでしまい、だいたい総額3.9万円(骨格:1.9万、設備2万)掛かっています。自分は楽しんで出来ましたが、作業が嫌いな方にはお勧めしません。
改善点①:もう少し容量を大きくすれば良かった
ある程度木材の規格に合わせて作ったので、作りやすい大きさになっていますが、植物を置くスペースとしては狭いです。すでにほぼ隙間はないです。。。高さを出して2段式も考えましたが、容量をでかくすると台風対策が難しくなるので、結構厳しいです。
改善点②:コード類がごちゃごちゃ
写真を見てわかるように、コード類がかなりごちゃついています。結束バンドで縛っていますが、もう少しスッキリさせたいですね。
改善点③:開閉屋根の固定方法
冬仕様にすると、屋根を開けた状態で固定ができません。屋根が軽くて大きいので、風が吹くと結構動いてしまい、うまく固定できていないです。要改善
改善点④:足場の安定性UP
コストと解体性重視で、土台はコンクリートブロックにしています。縦積みになっているので、もう少しブロックを足して横積みにする予定です。
最後に
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。紹介した内容の一部は、商品の推奨されていない使い方をしています。同様の使い方をして問題が起きても責任はとれませんので、商品説明をよく読んで頂き、自己責任で実施してください。特に温室にはヒーターを使うので、火事にならないように安全第一で考えることが大事かと思います。
何か気になる点があればコメントください。