実生チャレンジ中のサイカス カイルンシアナ(Cycas cairnsiana)について調べたことをまとめました。これから実生にチャレンジする方や、育て方の参考になればと思います。
サイカス カイルンシアナとは
サイカスカイルンシアナphoto by mistercycad@instagram
サイカス カイルンシアナはオーストラリア原産の裸子植物で、ソテツの一種です。日本で一般的に育てられている蘇鉄、サイカス レボルタ(cycas revoluta)と同じソテツ科ソテツ属に属しますが、見た目がかなり違います。
カイルンシアナの葉は美しい青色をしており、V字の葉の間隔が非常に狭いのが特徴です。その美しい外観から、とても人気のあるソテツです。カイルンシアナという名前は、自生地のクイーンズランドの州知事を務めたウィリアム・ケアンズにちなんで命名されたようです。
1980年代からコレクターに人気が出てきたようで、2020年現在、ICUNレッドリストには絶滅危惧Ⅱ類(VU:vulnerable)に登録されており、保護の対象になっています。また、CITES(ワシントン条約)附則書Ⅱ類に指定されている為、輸出入をする際は注意が必要です。種を輸入する際も、輸出側で検疫証明書の添付が必要になります。
サイカス カイルンシアナの自生地
サイカスカイルンシアナは、オーストラリア北部のクイーンズランド州ニューカッスル山脈に自生しています。自生地の写真がFlickrにあったので紹介します。
めちゃくちゃカッコいいですね。山の斜面の岩の間に生えています。この岩は珪質花崗岩で、岩の間の砂利の上で生きているようです。日当たりが良くて水捌けも良さそうですね。降雨量について調べてみると、ニューカッスル山脈の年間降雨量は1350mmと意外と多いです。(東京の年間降雨量は1528mm)個人的にはオーストラリアは乾燥するイメージが強かったんですが、北部は熱帯気候で雨季もあるようです。
自生地マップを作ってみたので、興味のある方はどうぞ
サイカス カイルンシアナの育て方
成長サイクル
成長速度は遅く、暖かい時期に成長します。長い年月がかかると思いますが、大きくなると幹の高さは2mを超えるようです。何年かかるんだろうか
日陰には置かない
日光が大好きです。葉焼けに注意しつつ、日に当てましょう。私は遮光下で育てています。
寒さには比較的強い
-3.9℃まで耐えられるようです。 (USDA:9b)
ニューカッスル山脈近郊の街ジョージタウンの最低気温が4℃であり、標高差を考えると、自生地の最低気温は1.6℃になります。
日本で屋外越冬は少し怖いですね。特に幼苗の時は、冬は屋内に取り込んだほうが良いと思います。
※耐寒性は、USDA Hardiness Zoneを基にしています。下記のサイトでとても分かりやすく説明されています。
植物の耐寒性について【Hardiness Zone】 - ガーデニングの図鑑
多湿に弱い
多くのサイカス科にいえることですが、多湿に弱いです。根腐れさせないよう、水のあげすぎに注意しましょう。
水はけの良い土に植える
上記の通り多湿には弱い為、水はけの良い土に植えましょう。海外では軽石やパーライトベースの用土が推奨されていました。私も軽石をベースにし、根腐れ防止にゼオライトを混ぜ込んだ用土を使っています。
アルカリ性の土壌には植えない
アルカリ性の土に植えるとマンガン欠乏症になりやすくなる為、中性〜酸性の土に植えた方が良いようです。マンガン欠乏症になると、葉が黄変するようです。マグァンプKにマンガンが入っているため、私は用土にマグァンプを混ぜ込んでいます。
ロングポットに植える
根が深く伸びる為、植え付けはロングポットの方が良いようです。
種から育てる
袋まきで実生しました。実生記録を記事にしていますので、実生に興味のある方は是非。
葉を青くするには
カイルンシアナの葉は白色のワックスで覆われている為、緑ではなく青に見えます。葉自体は緑色の為、ワックスがちゃんと出てくれないと葉が緑色になってしまいます。ワックスは葉の保湿を目的に分泌される為、湿度が高いと分泌されないようです。その為、ワックスを分泌させるためには乾燥させることが重要になってきます。また、ワックスは触ると落ちるため、注意しましょう。
ホリダスやマクドネリーといった、その他の青葉のソテツも同じ原理で青葉になるようです。
最後に
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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Thank you, mistercycad, for providing a wonderful picture of the cycad.